なんやかんやで、沖縄。

2年の海外駐在を経て帰沖。沖縄生活8年目。ゆるりと日常を綴っていきます。

熱量のこと。

「最近、更新サボってるだろ?」

年明けと共に、再び、来客ラッシュ。

口うるさい、某編集者もやってきた。
夏以来だ。
更にパワーアップしている。

「書いて吐き出してみれば?」
という一言で、
私に、綴ることを再スタートさせた、張本人。

今回は、取材ではなく、所謂、ロケハンらしい。

というか、
実は、私が怠けていないかの調査、
もしくは、私に説教をしにきたのではないか
と、勘ぐっている。


こっそり、沖縄に住んでいるのではないか?
どこで聞いたの、それ?
どうやって調べたの、それ?
というほど、
自身が担当する分野の “情報” をよく知っている。

思い返してみれば、この方から、
一度たりとも、軽々しく、
「◯◯を紹介して」
「オススメ教えて」
なんて、言われた記憶がない。

実際に自分の足で行ってみる、
自分の目で見てみる、
自分の舌で味わってみる、
自分の声を発して話してみる、
自分の身体で体感してみる、
を、徹底している人。
今回も、リュックひとつで、編集長自らやってきた。


「有益な情報は、タダではない。買う時代」
が、口癖。

それを体現するように、
彼が手掛ける出版物は、
割と強気の価格設定で書店に並ぶ。

「売れなくてクビになりそう」
素面なのか、酔いが回っているのか、
その判別がつかない程度の塩梅で、そう、言う。

取材対象は、
①好きか嫌いか
②コンセプト(カラー・トーン)に合うかどうか
で、決定するらしい。

ロケハン時は、一般の客として行き、
自分自身で体感し、
その取材(候補)対象が、好きか嫌いか、
言い換えると、
「この存在を知ってほしい」
と、自分が思えるかどうか、
熱を持って書けるかどうかで、判断する。

そして、
「ここ、好きだ」「読者に届けたい」
と、思えたとしても、
あくまでも客として、彼らと話をしてみて、
そこで働く人たちの想いや拘りが、
媒体の思い描いているコンセプトと異なると感じれば、
取材のオファーは一切しないそう。

「外観や雰囲気、メニューだけで見えるのは一部」
「そこにいる人たちがそれらを作っているから」
「大事なのは、彼ら自身」
「直接、話してみなきゃ、俺はわかんない」
器用なのか不器用なのか、
そう、笑って、話す。

もちろん、飛び込みではなく、
ある程度の熱を持った上で、足を運んでいる場所。
数だけ集めるようとするなら、
掲載しても何の問題もないはず。

しかし、それをやってしまうと、
「読者を裏切ることになる」と。

結果として、
「集客に寄与するどころか、イメージを落とす」
「それは、媒体側も、取材対象であるお店側も」
「自分が好きな相手に、そんなこと出来ないだろ?」


彼が世に放つ媒体には、

絶対に外さない店
失敗しないお店選び
オススメ
お得

なんて、浮き足だった言葉は、決して、踊らない。

常に、その奥に、“ヒト” を捉えている。

メディアが、“ヒト” を “ヒトを繋ぐ
って、こういうことだろうな、と。
どんなジャンルだろうと。


「有益な情報は、タダではない。買う時代」
数多くのメディアが乱立する中で、何を取捨選択し、
どこから情報をとっていくのかは、個人の自由。

ただ、発信する側の上っ面ではない、
本気の “熱量” を感じられる、そんな媒体が、
ここ沖縄でも、増えていけば良いな、と思う。

安売り営業しか出来ない、
糞みたいな “ブツ” はもう不要だ。

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