なんやかんやで、沖縄。

2年の海外駐在を経て帰沖。沖縄生活8年目。ゆるりと日常を綴っていきます。

初めてのおつかいのこと。

再び、東京入り。

 
一体、どこが居住地なのか?
が、よくわからなくなってきた、
遊牧民ジジイである。
 
まいど出張の際に、ついつい
思い出し笑いをしてしまう出来事がある。
 
今から、数年前の話。
 
明日から、東京へ出張!
という、若いメンバーが、朝の開口一番、
私に、こう尋ねてきた。
 
「〇〇駅から□□駅まで、30分であってます??」
 
その手には、
何やら数字が細かく書き込まれた
都内地下鉄の路線図。
赤・青・黄、3色の蛍光マーカーで、
駅ごとにマーキングがされている。
 
「〇〇駅から□□駅だと、10分もかかんないよ」
「乗り換え検索とかで、調べてみた?」
 
目が点になる若者
「??????????」
「乗り換え検索って、何ですか?」
 
そう、彼は、
都内地下鉄路線図をプリントアウトし、
「んー、あー、えー、ここは繋がってるのか?」
と、悶絶しながら、
蛍光マーカーで、路線ルートをなぞり、
「ここは、3ミリだから、だいたい10分!」
と、駅と駅の長さを、定規で測って、
半ば強引に、所要時間を算出していたらしい。
 
本人はいたってマジメだったのだが、
失礼ながら、大爆笑してしまった。
 
さすが、車社員の沖縄。
生まれて一度も電車に乗ったことがないらしい。
もっと言えば、沖縄県外に出ることも初めて。
 
たまたま私の周りだけなのか、
『修学旅行で、県外へ』
という機会を逃して、三十路を過ぎても、
一度も、“自力で” 外へ出た経験がない
という方に、ちょこちょこお逢いする。
 
生まれも育ちも沖縄です!
という、アラフォー社員から、
「空港って、どこでしたっけ?」
と、聞かれ、その質問の意味がわからずに
固まってしまったこともある。
 
 
私が所属する企業は、
内地(沖縄県外)にもオフィスも構えるため、
わりと頻繁に、沖縄のメンバーにも
東京などに飛んでもらっている。
 
今でこそ、私が同行しなくても
問題のない状態となったが、
当初は、“東京難民” で行方不明、
という事態が、しばしばと起こった。
 
羽田から、多く見積もっても
1時間程度で東京オフィスに到着するはずが、
2時間経ってもやって来ない。
 
「電車止まってる??」
「人身事故でもあったのかな?」
 
との心配をよそに、
3時間後、ようやく合流。
 
話を聞いてみると、
 
羽田空港の駅を探すのに、20分
切符を買うのに、20分
どっちの電車に乗るのか迷って、20分
途中、乗り換えが必要だったが、
相互乗り入れの直通快特だったので、
そもそも、降りようと思っていた駅を通過。
地下で電車に乗ったはずなのに、
気がついたら地上に出ていて、
It's a wonderful world!の錯乱状態。
ここで60分。
ようやく、目的地の駅に着いたものの、
なんでこんなに出口がいっぱいあるの?
「俺は、モグラ叩きか!」と、
ひとりノリツッコミを入れつつ、当然間違え、
Where am I ? の “東京難民” に。
1時間迷いに迷って、やっと到着。
 
とんだ珍道中
を、乗り越えて、やってきたらしい。
 
「あのアクロバティックな乗り換えは、何?!」
 
あなた、そんなに早口で喋れましたっけ
と、思うほど、
この3時間で起こった出来事を
捲し立てて話す姿を見て、
何だか微笑ましくなってしまった。
 
 
『可愛い子には旅をさせろ』
という言葉もあるが、
やはり若いうちに、
じゃんじゃん外へ出した方がよい、
と、私は思う。
 
『初めてのおつかい』ならぬ、
見ず知らずの人に声をかけて尋ねる、
Google先生に助けを求めるなど、
その場の状況に応じて、自分で考え、
臨機応変に対応しないといけないので、
自身のよい経験となる。
 
事前に、何の情報が必要なのか?
を考え、下調べと準備を行い、
もし〇〇が起こったら?の想定力も必要。
 
写真付きの説明書を渡すことも出来るが、
誰かがやってくれるだろう、
教えてくれるだろう、
連れてってくれるだろう、
と、思ってしまうと、
自分で考えることや、
事前準備を放棄してしまいがちなので、
多少乱暴でも、自身の『脳ミソ』を
使ってもらった方がベターだと思っている。
 
 
自分で、考えてやってみる。
意識して、場数を踏む。
その繰り返しをすることで、
自身のキャパが拡がってくる。
そして、色んな物事にこなれてくる。
 
のではないかと。
 
 
私の場合、こなれてくると、
どこかで停滞感を感じ始め、
「これではいかん!」と、
全く見ず知らずの土地に出向きたくなる。
そして、新しいことをしたくなる。
 
“東京難民” の彼と同じように、
下調べ、準備をし、時には人に尋ね、
よりスムーズに、オンスケで事が運ぶように、
あれやこれやと先の事態を想定する。
 
それでも、何かしらのハプニングはつきもの。
予定通りに進まず、
「おー、こりゃ、困ったな」
と、思う場面も出てくるが、それはそれで、
自分の対応力を試せる機会と捉え、
楽しいものなのである。
 
アラフォーの遊牧民、うん、それも、悪くない。
また、知らない土地へ出かけるとするか。
 
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