なんやかんやで、沖縄。

2年の海外駐在を経て帰沖。沖縄生活8年目。ゆるりと日常を綴っていきます。

ふせんのこと。

先週から、高雄市入り。

夏の繁忙期。その合間を縫っての弾丸台湾出張。
ここのところ、台北24時間滞在のとんぼ返りが、
2回ほど続いていたが、オヤジにはキツい。

3つのプロジェクトを強引に詰め込み、
今回、1週間ほど滞在できる見込みだ。

首都台北市とはまた違った面持ちの南部地方。
高雄市台南市
このノスタルジックな雰囲気が大好きだ。


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パスポートとVISA(ビザ)は別物。

今回、企業アテンドが2社。
初海外の方々も多く、事前準備の段階から、
丁寧に説明を行い、私史上最強に親切な
『旅のしおり』が出来上がった。
(販売しようかな、これ)。

この手のアテンドを行う際、
口を酸っぱくして言っているのが、

1)パスポートの有効期限
2)ビザの必要有無
3)出入国時のスタンプ

この3点の確認。

アフリカ、中南米の場合には、これに加えて
4)予防接種有無の確認が入る。

パスポートと航空券さえあれば、
どこにでも行けると思っている日本人が多いが、
そうではない。

パスポートは、有効期限付きの身分証明書。
ビザは、滞在許可証。
この目的のこの期間だったら、
滞在して良いよ的なもの。

日本国内だけで、のほほんと暮らし、
夏休みだけ南国リゾートにでも
行っちゃいますか的な生活だと、
ビザについて意識する機会が少ない。

昨今、“日本国パスポート世界最強”説が
唱えられていることもあり、なおさら。

これは、ビザの発給なし、
日本のパスポートだけで入国できる国数を現したもの。
確かに、そうだなと感じる反面、
インドを中心とした南アジア諸国には、
観光でも、ビジネスでも、
ビザなしではほぼ入国できないことを
同時に語るべきだと常々思っている。

南アジアとは、インド、パキスタンバングラデシュ
ネパール、ブータンスリランカモルディブアフガニスタン

ビザなしで入国できるのは、モルディブのみ。
モルディブ到着の際、条件はあるが、
最長30日間有効の無料の観光ビザが発給される。
つまり事前申請は不要。

国民の幸福度世界一と言われている
ブータンに至っては、
国が観光政策を決定しているため、
個人申請でのビザ取得は不可。
必ず政府指定の旅行会社を通じて、
ビザを取得する必要がある。

うん、世界最強のパスポートじゃないよね、これ。
同じアジア圏に全然入れないし。


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他のアジア圏ではどうか。

私が、駐在していたベトナムは、
15日間以内の滞在、観光目的ならビザ取得は不要。

ただし、復路の航空券を含む、
第三国へ出国するチケット、
入国時点で6ヵ月間以上の
残存有効期間を有するパスポートが必要。

一度、ベトナムを出国すると、
以後30日以内は、ビザなしでの再入国は不可。
つまり、ホーチミンへ行って、
ちょっくらバンコクで遊んで、
次は、ハノイに飛ぼうなんてことは、
ビザなしでは出来ないのである。

これが理解されていないことが多く、
緊急でビザ手配をしたり等、駐在中は、結構苦労した。
日本から来る本人達は何も知らないのが常。
裏でかなり動いてたのよ、これぞ駐在員あるある。

ASEAN諸国で言うと、タイ、マレーシア、ラオス
シンガポール、フィリピン、ブルネイ
インドネシアは、ビザなしでオッケー。
この10月から、ミャンマーも観光目的等の条件付きで、
ビザ免除になる模様だ。

一方、アンコールワット遺跡群で有名なカンボジアは、
観光であろうと、ビザ取得が必要。
アンコールワット遺跡群のあるシェムリアップは、
日帰りでの入国は不可。
カンボジアの法令により、シェムリアップから
入国した旅行者は、少なくとも一泊は
カンボジア国内に宿泊しないといけない。
国外からの日帰り観光はできないという決まりがある。
これも知らない人が多い。

これらを踏まえ、ASEAN諸国を行脚するのに、
オススメしているのが、
バンコクを拠点にして周遊すること。

バンコクは、スワンナプーム国際空港、
LCCが多く乗り入れる、ドンムアン空港
2つの国際空港を有しており、便数も豊富。
隣国には、陸路でも渡れ、ビザなしでの再入国もOK。

シンガポールチャンギ
マレーシアのKLIAを拠点にすることもできるが、
滞在費のリーズナブルさ、
税関申告なしに持ち込みできる嗜好品等を踏まえると、
バンコクがベストな選択だと思っている。


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事前のオンライン申請が便利。

ビザ取得の方法は、事前に日本で、現地に着いてから、
と国によって様々だが、ほとんどの国が、
ウェブからのオンラインビザ申請を受け付けており、
私の場合は、どこに行くにも、
オンラインでの事前申請、
クレカ決済という手段を取っている。

日本語対応のサイトはほぼ皆無だが、
英語版は、どの国の申請画面も対応しており、
申請から承認までが非常にスムーズ。
カンボジアなんて、アプライしてから、
30分後にアプルーブのメールが来るほど。

1点、注意しないといけないのが、
オンライン申請を行うタイミング。
ベストなタイミングは、入国の1ヶ月〜2週間前。
ギリギリ過ぎて間に合わないケースがあることは
容易に想像できると思うが、早過ぎてもダメ。

インドへ渡航する際、エアチケット、
ホテルをさっさとおさえてしまったので、
ついでにオンラインでビザ申請しておくか、
っとポチったものの、
申請のタイミングが早過ぎて、
発給された入国OKの日付が、出発前のもの。
通常ビザには、入国期限が記載されている。

「オンライン申請する時、入国日、書いたじゃん!」
と思っても、あとの祭り。

オンライン申請発給元のインド政府に
メールで問い合わせを入れるも、
発給された期間に入国しないとダメの一点張り。
「入国日書いて申請してるから、そっちが悪い」と、
こんなこともあろうかと、データ保存していた
申請画面のキャプチャー画像を送りつけても、ダメ。

埒があかないので、在ホーチミン・インド総領事館に、
乗り込むも、事前アポがないと入ることさえできず。
しぶしぶ、オンラインでアポを取り、
再度、総領事館に乗り込む。

一連の事情を説明し、
「たぶん、無理だと思うよ」と言われつつ、
「それは、あんたの力量次第。トライ!!」
と、領事館からインド本国担当にお願いするよう、
ゴリ交渉。

その後、在ホーチミン・インド総領事館から、
インド本国へ飛ぶメールを横目に眺めながら、
状況をウォッチするも、残念ながらリジェクト。

ここで諦めないのが、たくましい駐在員。
最後の切り札として、在日インド大使館へ、
「あのー、海外で頑張ってる日本人が困ってますよ」
とメール。

返ってきたのは、ご丁寧な日本語で、
「申請するの早過ぎましたねw」
「インドってそんな国なので」
「残念ですが、出発日程が近づいてから再申請を」
「あっ、またお金掛かりますけど」
と、サラっと。実にアッサリと。

「ゴラァ、インドの糞やろぅぅぅううーーー!」

心の中で発狂しながら、
「期限前は申請できないように仕様変更を検討する」
というところまで、話を漕ぎ着けて、
この件は、クローズ。
まっ、インドのことなので、
絶対、仕様変更しないだろうけどw

最終的に、出発2週間前に、
再度、オンラインビザ申請し、1日でアプルーブ。
無事に、入国できたとさ。

インドビザのオンライン申請は、入力すべき欄が、
他国に比べて、3倍以上あるので、超めんどう。
両親の名前や出身地、宗教まで入力必須。

現地SIMをゲットするのも、超めんどう。
そして、開通するまでの手続きも、超めんどう。

でも、このめんどくささが、魅力の国。
人生観が変わる国なんて言われてますが、
1ミリ足りとも、変わりませんでしたがw


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インバウドで賑わう日本。

ずっと日本に住んでいると、
誰でも簡単に入国できると思いがちだが、
日本人以外が、日本へ入国するのは
結構大変なのである。

ここのところ、技能実習生を中心に、
急増している訪日ベトナム人
2016年に、日本入国ビザ発給が緩和されたとは言え、
彼らを日本へ呼ぶためには、
依然、国からビザを発給してもらわなければならない。

ベトナムに住んでいるベトナム人だけでは、
これを実現するのは不可能で、
日本に在住している誰かしらに、
各種申請書類を用意してもらう必要がある。

①招聘状・招聘理由書
②招聘経緯書(別紙)
③滞在予定表
④申請者名簿

①③④については、外務省のウェブサイトに
ある程度のフォーマットが準備されているが、
②については、日本へ呼ぶ理由とあわせて、
その人物との関係性、どこで出会って、
どんな関係を築いてきたのか、
その交流を証明するもの等を、
フリーワードで自力で作り上げないといけない。

さらに、渡航費を日本在住者側が負担する場合は、
身元保証書、所得証明書、住民票等、
更に追加した資料提出が必要になる。

どうです、ゲロ吐きそうでしょ?w

これら一式を日本で準備し、
EMS国際郵便等で、現地へ郵送。
申請人当人が、在ベトナム日本大使館
または、領事館へ出向き、
書類を提出、簡単な面接をした後、
入国ビザが発給されるかどうかの審査に入る流れ。

ここのところ、審査が厳しくなっているようで、
私の周囲でも、リジェクトされて、
ビザが取得できなかったということがチラホラ。
日本行きのフライトチケットをもう買っているのに。
しかも申請は、出発3ヶ月以内からしか受け付け不可。

と、私が駐在していたベトナム人を例に出したが、
外国人1人を日本に呼ぶのも結構な手間がかかる。

今、日本にいる外国人の方々は、出身国により、
多少の差はあれど、大変な労力と費用を費やして、
わざわざ日本に滞在されていることを、我々、
日本人はもっと知るべきだとつくづく思うのである。


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念のための確認が予期せぬトラブルを減らす。

最後に、「3)出入国時のスタンプ」について。

私の場合、パスポートの査証ページを増刷してるので、
めちゃくちゃページ数が多い。

それも要因のひとつなのだが、インドネシア出国の際、
入国スタンプを審査官が見つけられず、
「不法に入国した疑惑」をかけられ、
事務所に連れ込まれる事件が発生したことがあった。

通常、スタンプを押すスペースがなくなったら、
新しいページへ、となるところ、
審査官によっては、古いページに戻って、
ちょっとした隙間に、スタンプを押す。
インドネシアの場合もそう。

それ以来、入国の際、出国の際には、
空港を離れる前に、パスポートにスタンプが
押されているかを確認する癖がついた。

古いページにスタンプを押された場合、
何かしらの印をつけて、審査官に渡す。
そうすれば、
無駄なトラブルに巻き込まれることなく、
スムーズに行程が運ぶ。
その知恵をつけてからは、常に付箋を持参している。

ちなみに、今回の台湾も同様。
古いページに遡って、入国スタンプが。

あーぁ、また帰りに付箋、貼らないとだ。

 

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