なんやかんやで、沖縄。

2年の海外駐在を経て帰沖。沖縄生活8年目。ゆるりと日常を綴っていきます。

バルスのこと。

那覇着。

明日開催の『那覇マラソン』の影響で、
「早い便は混んでいるだろう」との予想の元、
最終便にしたものの、こちらもフルフライト。

小粋な機長から、
那覇マラソンに出場される方、ご健闘を」
的な機内アナウンスも流れる中、
確実に気のせいなのだが、
老若男女・乗客すべてが、ジョガーに見えてしまい、

(あの人は、完走できる)
(あの人は、ハーフまで行けない)
(あの人は、着ぐるみ系で目立ちたいだけ)
(あの人は、美ジョガーだと自負してそう)
(あの人は、ゴールしたらプロポーズを目論んでる)

あれやこれやと勝手に予想。
いつの間にか、寝落ちしてしまった。

CAさんに叩き起こされ、起床。
東京&大阪からインした
那覇マラソンホテル難民”
の悪友たちと合流し、自宅に受け入れ。
今晩は、大人しく、床に就こうかと思いつつ、
機内熟睡の結果、今になって、
らんらんと目が冴えてきた。


『太陽と海とジョガーの祭典 NAHAマラソン』

ジョガーでも、ランナーでもないが、
実は、私も過去に一度だけ出場したことがある。

東京から沖縄へ渡った、6年前。
若手後輩たちからの、
「みんなで出ましょうよ!」のノリに、
まんまと乗せられ、人生初のフルマラソン

当時は、抽選ではなく、
期間内にエントリーすれば、
先着順で、ほぼ漏れなく走ることができた。

「まだ若いから問題ない」
と、大会前、たった一度だけの練習。
15キロを走っただけで、いざ本番へ。

格好だけは、まるで、ベテランランナー。
マラソン日和。意気揚々と会場入り。

那覇マラソン名物!?
沿道からの各種差し入れを味わいつつ、
YMCAコーナーを駆け抜け、
中間地点の平和祈念公園まで快走。


(おっ、このままフルマラソン完走か)


人生そんなに甘くない。

ハーフでひと休み。
座り込んだら、もう立ち上がれず。
「これ、どなたの足ですか?」
というほど、パンパン、感覚なし。
足が棒になる、とはこのこと状態に。

(さて、これから、どうするかな)

思い悩んでいたところ、

「棄権するなら、平和でバスす」
「止めるなら、平和でバスす」
「ヤバイと思ったら、平和でバスす」
「身の危険を感じたら、平和でバスす」
「ゴールまで乗せてくれるのは、平和のバスす」

後輩たちから、授かった呪文
バルス” ならぬ、平和の “バスす” を思い出し、
バス乗り場を捜索。

バルス” の語源はトルコ語の “バルシュ”
(ではないかと言われている)。
トルコ語 “バルシュ” の意味は『平和』。
那覇マラソンの中間地点は『平和』祈念公園。

(完全一致!?宮崎先生、ありがとう!)

無事、『平和』祈念公園発の
リタイヤバスを発見し、その先頭に整列。
誰よりも早く、ゴール地点の
奥武山陸上競技場に戻ることが出来た。


(やっぱ、ノリで出ちゃダメ)

それから暫くは、横にしか歩くことが出来ず、
カニのような生活を送る羽目に。

甲殻類を卒業し、ヒトとして、
前後歩行が行えるようになったのは、
那覇マラソンを終えた1週間後であった。


明日は、奇しくも、雨予報。
気温は、26度まで上がる見込み。
フルマラソンのコンディションとしては、
最低な部類に入るであろう。

ジョガーの皆さん、最後の呪文は、
『平和』(中間地点)で、“バスす” 。

無理は禁物。お忘れなく。

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