なんやかんやで、沖縄。

2年の海外駐在を経て帰沖。沖縄生活8年目。ゆるりと日常を綴っていきます。

褒め言葉のこと。

いっぺーまーさん。

うちなーぐち(沖縄方言)で、
「とても美味しい」の意味である。

人口10,000人あたりの飲食店数、日本No.1の沖縄県

那覇で最も盛り上がっているエリアのひとつ、
栄町(さかえまち)で店を構える
オーナーシェフと、先日、こんな話になった。

私   
「お客さんになんて言われたら、嬉しい?」
「うまい!とか、美味しい!とか、聞き飽きてるでしょ?」

Sシェフ
「そんなことないですよ」
「ふつうに、おいしかった、も嬉しいですよ」

 

私は、ほとんど、メニュー表を見ない。

「野菜が食いたい」
「チーズ系、ガツガツの濃い目」
「カラダが魚を欲している」

と、その日の気分と体調で、
なんとなく、ほしいものの方向性だけを伝え、権限委譲。

気心が知れているお店では、
大将・シェフにすべてをお任せをし、
その日のオススメを出してもらうのが、
最も良いと思っている。
(そして、それは、ある意味での戦い)。

また、それを実現してくれる
素晴らしいお店が、沖縄県にはたくさん存在する。


まさに “めんどくさい” を絵に描いたようなオッサン。
だからこそ、「うまい」とか「美味しい」とかありふれた言葉ではなく、
それらを超越するような、戦いの勝者に敬意を示す、
『キラーフレーズ』を開発したい
と、つねづね、思っている。

どんな忙しいシェフでも、
その言葉が聞こえると、思わず、
「え!?(ビックリ表情だけど、ちょっと顔は笑っている)」
と、振り返ってしまうような、爆弾的なもの。

「味の宝石箱や~」by ©彦摩呂先生
を超える、インパクトのあるもの。

しばらくの間は、「天才」という言葉を使っていたが、
あまりに乱用しすぎて、それが癖になってしまい、

「なんかそれ、ちょっとバカにされてる感じがする(笑)」

と、某和食店の大将から苦言を呈されてしまった。


(・・・たしかに。これは、急務だな)

それ以来、新ワード開発プロジェクトを発足し、
同案件のクローズを急いでいる。

 

一般的には、
『本当においしいものに出逢った時、人は言葉が出ない』
と、聞く。

私はそこまでの境地には達していない。
悟りを開くにはまだまだ時間が掛かりそうだ。
(そもそもグルメライターでもないし)。

上記を含め、以下の4パターンの導入を検討。
しかし、私に当てはめて考えると、
いまいち、パッとしないので、
今回は、すべて見送りすることにした。


●その①
『言葉が出ない(と、あえて口に出して言う)』

完全に逃げている。
語彙力の無さを棚に上げている感じがして、
今後、自身の成長が見込めない。
はい、見送り。

●その②
『黙って、一筋の涙を流す』

怖い。
オッサンの静かな涙ほど、恐ろしいものはない。
はい、見送り。

●その③
『うぅぅぅぅ~(擬音語で唸る)』

呪われそう。
もしくは、
「とうとう、コイツ発作でも起こしたか」と思わそう。
はい、見送り。

●その④
『(うんうんうんうん)と、ひたすら、うなずく』

首が腱鞘炎になる。
はい、見送り。

 

Sシェフとのアイデア出しの結果、

「宇宙!」
「負けた」
「お手上げ」
「もう、降参」
「エロい」

と、新しい候補者たちが登場してきた。
これは、急いで、選定緊急会議を招集しなければ、である。


そして、この日も、Sシェフに軍配。
『これでもか!のチーズ祭り』に、
③のパターン(アレンジヴァージョン)で、
思わず、唸ってしまった。くわばら、くわばら・・・。

Sシェフ、「負けた」。
くわっち~さびたん!(ご馳走様でした!)


ちなみに、沖縄の方が「いっぺーまーさん!」と
日常会話で使っているシーンは、一度も見たことはない。

ふつうに「おいしい」「美味い」と言われている。

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