『るるぶニスト』のこと。
24時間365日営業。
コンビニのことではない。
沖縄には、フレンチ、イタリアン、中華、和食等と並んで、
“うちなー(沖縄)食堂” というジャンルが存在する。
すっかりガイドブックの常連となった
デカ盛りの有名店「波布食堂」。
全くもって “軽食” が出てこない「軽食の店ルビー」。
(出てくるのは、むしろ “重食” )
を始め、
「花笠食堂」「高良食堂」「あやぐ食堂」「やんばる食堂」等、
“〇〇食堂” と名乗るお店から、
「三笠」「みかど」「丸仲」「ハイウェイドライブイン」等、
食堂と付かないお店まで、一大派閥を築いている。
すべての店舗が、24時間365日営業という事ではないが、
那覇中心部にある「一銀食堂」さんは、
(ランチタイムよりも、混んでない?)
というくらい、
飲んだ後の〆客、営業終了後の飲食店関係者の皆さん、
竜宮城で働く姫様たちで、早朝5時~6時は、ごった返している。
どのお店も、かなりの高確率で、
個性的な党首=『オバァ(or オカァ)』がいて、
それが “うちなー食堂” という巨大政党最大の魅力となっている。
●Aランチ・Bランチ・Cランチ、夜でも食える問題
(↑Cが標準ランチ、Bがちょっと贅沢、Aが全部盛りのフルコース)
●単品感覚オーダーで、痛い目に合う事件
(↑「〇〇定食」と記載はないが、デフォルトでご飯&汁物が付いてくる)
●「みそ汁&「おかず」二大・不思議ちゃん騒動
(↑という独特のメニューがある)
と、うちなー食堂ネタは、色々とあるのだが、
私の中での最大の出来事は、
2012年春「人間、知ったかぶりをしてはならぬ事変」である。
沖縄へ移住して、1年ほどが過ぎようとしていた、とある昼時。
昼食のため、某うちなー食堂へ。
地元客でほぼ満席の中、
麦わら帽子をかぶった、女性2名の『るるぶニスト』が登場。
(↑るるぶ沖縄を引っさげて歩いている人を、個人的にこう呼んでいる)。
A子は、写真をバシャバシャ撮りつつ、
B子は、キャッキャ言いながら、メニューを選んでいる。
このお店にも、観光の方が来るようになったのか~
沖縄生活にも慣れ、すっかりベテラン気取りで
カウンターで食事をとっていた。
まさか、その後、あんな事態になるとも知らずに。
「あのぉ〜、すみません。この “ちゃんぽん” って何ですか?」
B子が、私に尋ねてきた。
私「麺ですよ」
うちなー食堂経験が浅かった私は、鼻高々に、そう回答。
・・・長崎ちゃんぽん。
(以外、選択の余地ナシの脳内)。
まさに、大失態。
ざわつく店内。
カウンター奥で、せっせと料理を作っていたオバァの手が止まる。
そして、一斉に飛ぶ怒号。
「えぃ、にーにー、違うよ。死なすよ」
当然、『るるぶニスト』のお二人は、目が点に。
沖縄において、「死なすよ」は、
「このヤロー」「もぅ~殴るよ」「(軽く)ぶっ飛ばすぞ~」
のニュアンスで使われるフランクな日常ワード。
関西で言うと「あほちゃう、しばくで、しかし」くらいのご挨拶。
(だと認識している)。
沖縄には「ちゃんぽん」というメニューがある。
野菜炒めを卵でとじたものが、ご飯の上に乗っている一品。
麺ではない、誰がどう見ても、米である。
沖縄へお越しの際は、ご注意いただきたい。
ちなみに『るるぶニスト』A子&B子とは、
“苦楽を共にし、同じ釜の飯を食った仲間” 的な、一体感が生まれ、
その後も交流が続いている。
来月、また3人で想い出の「ちゃんぽん」を食べる予定だ。