サタンのこと。
久々の更新。
「大丈夫?生きてる?」
何人かからご連絡をいただいた。
えぇ、ちゃんと生きてます。
師走とは思えない蒸し暑さの沖縄を後にし、
再び、東京入り。
激しい気温差。体調管理が大変。
滑り込みで、那覇空港に到着すると、
またもや、修学旅行生と同じ便。
(ふぅー、同乗率高いな)
先行で搭乗する学生さんたちを眺めながら、
そんなことを思っていると、背後から、
「◯◯◯!←私の名前」と、叫ぶ声。
(誰じゃい、空港で大声を出す奴は)
振り返ると、そこには、見覚えのある顔が。
「あっ、Mr.サタンだ」
説明しよう。
Mr.サタンとは、大学時代の同期。
同じ教職課程を選択し、厳しい授業に出席、
介護実習などを経て、
教職免許取得までの苦楽を共にした男である。
(そういや、こいつ、教師になったんだ)
卒業後、私は教職の道には進まなかったが、
Mr.サタンは、某大手商社に数年間勤務後、
やはり教師になりたい、ということで、
採用試験をパス。
今や、一端の高校教師になっている。
大学3年次、介護実習先として、
同じ老人施設に配属され、
そのホームの大御所・源蔵(げんぞう)さん
という、爺さんから、
「お前は、Mr.サタンだ」
と、何の脈略もなく、名付けられた彼。
それ以来、仲間うちでは、ずっと、
“Mr.サタン” と呼ばれている。
鳥山明先生が描く、
Mr.サタンとは似ても似つかない容姿。
登場人物で表現するなら、むしろ、トランクス。
教育実習先の女子生徒達から告白される、
サラサラヘアーを風に靡かせた
爽やかボーイであった。
そう、当時は。
私
「老けたな(笑)」
10数年ぶりの再会に、互いに爆笑しながら、
生徒たちの目の前で、オッサン同士の熱い抱擁。
何やら、修学旅行の引率で、沖縄に来ていたらしい。
Mr.サタン
「Mr.サタンって、久々に聞いたわ」
「今や、生徒からは、ピカチュウやで(笑)」
(時が経つって、残酷)
サタンの後頭部を拝みつつ、搭乗。
離陸後、いつものごとく、
カタカタとキーボードを叩き出す。
そして、背後から、またあの声が。
Mr.サタン
「まいど、まいど」
(機内で書類作ろうと思ったのに・・・)
機内が空いていたこともあり、
座席変更をしてもらったらしく、
Mr.サタンが、隣の席に。
(お前、ちゃんと、1,000円払ったのか)
私
「生徒たち、放置プレイで大丈夫なん?」
Mr.サタン
「余裕余裕、うち、進学校やから(笑)」
私
「それ、関係ないやん」
互いに久しぶりに使うであろう
関西弁を駆使しつつ、
昔話から、今何やってるのか話で、
ひとしきり盛り上がった。
そして、降下前に流れる、機内アナウンス。
「◯◯高校の皆さん、
本日のご搭乗ありがとうございます。
沖縄での修学旅行はいかがだったでしょうか。
一生に一度の修学旅行に日本航空の翼を
お選びいただき、誠にありがとうございます。
この旅が皆さんにとって素敵なものとなりますことを、
乗務員一同、心よりお祈り申し上げております。
旅は人生を豊かにする。
これからも、たくさんの素晴らしい旅を。
お気をつけておかえりください」
私
「へぇー、気の利いたこと言うね」
Mr.サタン
「あれ?お前、知らんの?」
「知ってて、乗ってるやと思った」
「今日の機長、K先輩やん。声でわからん?」
おっ、まさかのK先輩。
私
「えー、Kさん!たまたま?」
Mr.サタン
「ダメモトで、JALにお願いしてん」
「自慢したいやん、生徒に。先輩が機長やって(笑)」
今日は、色々と遭遇率高いな。
Mr.サタン
「Kさんも、若干、ピカチュウやで」
「帽子被って誤魔化しとるけどな(笑)」
なんて日だ!